美湯 松帆の郷、五斗長垣内遺跡、野島断層へは道の駅「あわじ」からGo!!(トイレ◎仮眠○休憩◎景観◎食事◎設備○立地◎)

道の駅「あわじ」は、神戸淡路鳴門自動車道「淡路IC」より車で約5分、淡路島の最北端にある道の駅です。

神戸市垂水区と淡路島の間の明石海峡に架かる明石海峡大橋は、2022年3月にトルコの1915チャナッカレ橋に抜かれるまで四半世紀にわたって「世界最長の吊り橋」のなをほしいままにしていました。

この写真は、淡路島の反対側からなんとか全長をとらえた写真ですが、とにかく長い、そして巨大です。その吊り橋を淡路側で支える構造物の真下にある道の駅。なんと言っても視界いっぱいに広がる絶景海景色がこの道の駅「あわじ」の最大のウリだと思います。

土産物店には玉ねぎや野菜といった淡路産の農産物をはじめ、玉ねぎドレッシング、玉ねぎチップスなどの玉ねぎ加工品、地ビールなど、ここでしか買えないお土産が豊富に取り揃えられています。
島の最北端、明石海峡大橋に世界一近い道の駅です。
ぜひ一度は立ち寄って損のない道の駅だと思います。

この橋がいかに凄いかという話から

当時「世界最長の吊り橋」として、明石海峡大橋が完成し供用開始されたのは平成10年(1998)4月5日だった。完成を祝って、吊り橋を歩いて渡るイベントに、この橋の淡路側の最初の下り口の地に生まれ育った父と母とを連れて参加したことが懐かしく思い出される。
架橋の構想は、実は第二次世界大戦前から検討されていたというが、この計画は、技術的問題もさることながら軍事的な理由により夢物語として一蹴されたという。
架橋構想がちゃんと俎上に載ったのは昭和32年。私が生まれる1年前だから67年前のことだった。
明石海峡の潮の流れは最大で毎秒4.5メートルと相当速く、また1日に4回も流れを変える。好漁場であり、国際航路でもあるため、1日におよそ1,400隻もの船舶が往来する。こうした条件に合致するように計画は慎重に進められた。工事中、完成間近の平成7年にはあの兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)に見舞われたが、主塔基礎などの構造はびくともしなかったが、基礎部分の地盤移動によって全長が1メートル延長された。
国の事業だろうと批判も一身に受けつつ、着工を見ることなく昭和51年にこの世を去った「橋口市長」とも揶揄された原口神戸市長の人生と神戸市の未来をかけた大事業でもあったが、その後の神戸の発展、いまブレイクしている淡路島にとってとてつもない遺産となったことは間違いない。

景色眺めての休憩クオリティが最高

さて、この道の駅「あわじ」は、ケーブルを支える淡路側のアンカレイジの真下にある。その巨大なアンカレイジを囲むようにある駐車場は分散しているが全てのを足すと相当の広さ。そして何より、車を降りて休憩できる場所は本当にたくさんあって、尚且つそれらは実に多彩だ。

トイレは普通

トイレに関しては女性もあまり待つことがないようだし、男性もウォシュレットだし、問題ないです。
気になったのは、トイレットペーパーがよく盗まれるらしいこと。
「盗むな!犯罪だぞ!」という言い方ではなく、こうして皮肉っぽく販売しているところに余裕とセンスを感じた。

食事のクオリティ、バリエーションもいい!

◇名物【 生しらす丼 】をはじめとした海鮮料理
◇淡路牛のすき焼き重や穴子重といった、地元の名産品を使った料理
◇淡路牛バーガー、明石焼などの軽食
◇たまねぎほか地元産農産物
◇自社製造の佃煮や水産加工品土産物

こうした淡路島ならではのグルメが充実している。

「淡Be-」の淡路牛がたっぷり入ったボリューム満点の「淡路牛バーガー」は大人気だ。

お土産に玉ねぎはマスト!

お土産を買うのに目移りはするが、玉ねぎは外せないだろう。

ちょっと蘊蓄を語ると、淡路島の玉ねぎは、季節によって味が違う。3月は《極早生》品種がとてもみずみずしいのでサラダに。4~5月は《早生》品種が淡路島の気候に最適の状態で登場しまさに旬の味!6月上旬は《中生》品種が加熱で旨味がUPするので玉ねぎステーキ、野菜炒めにおすすめ。そして7月上旬は《晩生》品種:加熱で完熟玉ねぎの旨味が炸裂するので、丸ごと煮て玉ねぎスープにすると最高だ。

道の駅あわじでは、信頼できる契約農家さんを厳選して玉ねぎを仕入れており、責任者が定期的に畑を視察。農家さんと一緒に玉ねぎの様子を確認しながら常に最高の玉ねぎを提供する努力を続けている。

レストラン海峡楼

2Fレストラン海峡楼では海千館では「生しらす丼」や「焼き穴子丼」などの丼メニューが充実。

淡路島の食材を使ったこだわりの料理が楽しめる。

ゆったりと明石海峡大橋を眺められるテラス席もある。大橋を眺めながら海鮮丼や豪華淡路牛丼など料理長が腕をふるう絶品料理にうつ舌鼓は最高だ。

多彩なメニューから、あえて私のお重部門イチオシを挙げるとすれば《穴子とろ蒲重》1580円也。
淡路島といえば焼き穴子。淡路で子ども時代を過ごした私にとって、焼き穴子は最高のご馳走だった。この《穴子とろ蒲重》は、焼きにこだわり、穴子のふわっと食感がたまらない。お値段以上の一品だ。

車で3分圏内に松帆の郷と絵島

明石海峡大橋を臨む日帰り温泉「美湯 松帆の郷」は、道の駅あわじから車で3分の場所にある日帰り温泉施設だ。泉質は単純弱ラドン温泉で、神経痛・関節痛・うちみ・くじき・慢性皮膚病・冷え性などに効果があるという。明石海峡大橋を眺めながら温泉を楽しめる「和風露天風呂」は、定期的に男性用・女性用に入れ替えが行われており、シャンプー・リンス・メイク落とし・化粧水・ドライヤーといったアメニティも充実している。

当然のように、目の前に明石海峡と瀬戸内海の大パノラマが広がる露天風呂が一番人気。夜になるとライトアップされる明石海峡大橋や神戸の夜景を眺めながら湯に浸かるなんて、もう最高だ。

同様に、車で3分で行ける絵島は淡路市岩屋、淡路島の北東に浮かぶ島である。

絵島

古事記・日本書紀に書かれた「おのころ島」伝承地のひとつとされイザナギ・イザナミはこの島で結ばれ子をなしたというが、陸地に続いていたものが海の浸食によって削られ、現在のような島となったそうだ。岩肌はなめらかな縞模様で、山頂には、人柱にされようとした人々を助け、自らが人柱となった「松王丸」を弔った社がある。

五斗長垣内遺跡

五斗長垣内(ごっさカイト)遺跡は、標高 200mの津名丘陵の西側、海岸から3km の播磨灘を見下ろせる位置にあり、弥生時代後期に鉄器を作っていたムラの遺跡だ。ここに行くにも、道の駅「あわじ」からがいいだろう。高速に乗り直さなくても、淡路の西岸を走ってさほど時間はかからない。
2004年10月20日、大型で強い勢力のまま高知県に上陸した台風23号は、各地に大きな被害をもたらしたが、淡路市の五斗長集落も大変な被害を受けた。ため池が決壊し、ほとんどの農地が耕作不能に陥ったのだ。その復旧作業が続いていた2007年に見つかったのが、弥生時代後期(約1900〜1800年前)の集落跡「五斗長垣内遺跡」だった。
それより前の平成 13 年(2001)に遺跡は発見されていたが、平成 19 年(2007)から本格的に実施された発掘調査で、23 棟もの竪穴住居跡が発掘されたのだが、驚くべきはそのうち 12 棟で鉄器を作る作業(鍛冶作業)を行った可能性の高い炉跡鉄製品、多数の石製鍛冶工具類が出土したことだった。
五斗長垣内遺跡は、一つの遺跡で発見された鍛冶作業用の建物の数や大きさとしては国内最大規模。この集落で鉄器づくりが盛んだった2世紀後半は、邪馬台国の女王「卑弥呼」が登場するきっかけになった倭国大乱があったとされる時期。大陸から輸入した鉄を、当時の最高技術の鍛冶技術により加工していたことを示す痕跡から、大和政権など、当時の強大な勢力により淡路島が重要な拠点として位置づけられていたという歴史が伺える。ぜひ、歴史のロマンを味わっていただきたい。

五斗長垣内遺跡の23ある史跡の中には、直径実に10.5m、柱の本数10本で建てられた大型の竪穴建物の存在が確認された。見ることができるのは、発掘調査成果をもとに鍛治工房建物を復元したもの。そのスケール、弥生時代の建築技術に驚くばかりだ。

ぜひ野島断層へも

野島断層(のじまだんそう)は、兵庫県淡路市にある活断層で、その一部が保存され文部科学省によって天然記念物に指定されている。兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)を引き起こしたとされ、その際に地表地震断層として現れた。

長さは淡路島の北西部・旧北淡町北端、江崎灯台付近から富島地区(私の故郷)までの約10kmにわたり、六甲山から淡路島に至る六甲・淡路島断層帯の一部にあたる。

兵庫県の記録に残る最も古い地震は、貞観10年(868)。マグニチュード7.1の巨大地震だった。この地震は、山崎断層帯の活動によるものと考えられているが、慶長元年(1596)の慶長伏見地震はマグニチュード7.5で有馬高槻断層帯の活動、そして平成7年(1995)の兵庫県南部地震はマグニチュード7.3で、六甲・淡路島断層帯の活動によると推定されている。この3つの断層帯の他にも兵庫県には淡路島南部の中央構造線断層帯、大阪湾断層帯、京都府から延びる山田断層帯がある。兵庫県は断層帯の密集地なのだ。

すでに述べたが、兵庫県南部地震は、六甲・淡路島断層帯が活動したために起こったもので、中でも構成断層のひとつである野島断層は震源に最も近い断層である。地震発生の際には断層南東側が南西方向に約1 – 2m横ずれし、同時に南東側が約0.5 – 1.2m隆起して逆断層となっている。

巨大地震の爪痕を確認したからどうということはないのかもしれないが、少なくとも想像を絶する巨大なエネルギーと地震の恐ろしさを再確認すれば、近々来るであろう東南海巨大地震に対して、防災への意識がいやがおうにも高まるはず。
道の駅「あわじ」から近く、五斗長垣内遺跡に向かう途中。
時間をロスすることなく寄ることができる。