道の駅いながわの建物の奥を流れる猪名川の岸に、来場者が気軽に楽しめる親水公園として整備した佐保姫公園が併設されています。この写真は、その公園から見える美しい猪名川です。
猪名川町は兵庫県と大阪府の県境に位置し、都市近郊にありながら猪名川渓谷県立自然公園が町域の約8割を占めていて、四季を通じて豊かな自然を感じられるところです。
平成12年11月にオープンした道の駅いながわは、平成16年4月にリニューアルを行い、地域農業情報センター(特産・お土産販売コーナー、休憩コーナー、観光情報コーナー)農産物販売センター、そばの館、トイレの4棟となり、現在に至っています。
昼間の仮眠はちょっと厳しいかも
道の駅いながわの敷地は、細長い。つまり駐車場も横長で、すぐそばを走る道路が二つ(東西の川西三田線・県道12号線と南北の篠山街道)交差するところに敷地が南北方向に細長くあり、その敷地に沿って細長い建物が立っていて、その建物と篠山街道に挟まれてように駐車場がある。
夜、交通量はさほどでなくても、通過する車の音は、少し大きく聞こえてしまうのだ。トイレ、休憩目的なら何の問題もないが、仮眠するには少し音が気になるかもしれない。
施設は南北方向に細長く、建物に沿うように駐車場がある。施設利用にはとても便利だ。
これが駐車場の東側を南北に走る篠山街道。ここを走る車の音が少々気になる。
ゆっくり休憩できる。
「地域農業情報センター」内のスペースで休憩している人もいる。週末には、ここに猪名川町ボランティアガイドがいらっしゃって、聞けばいろんなことを教えてくれるらしい。
トイレは施設の南端にポツンとあって、プレハブ?づくりだが、中はまあまあ綺麗。ウォシュレットついてるし。トイレ目的、休憩目的なら何の問題もない。もちろん音が気にならない方や、耳栓ほか音対策万全な方なら、ぜひついでに仮眠も!
施設は全部で4棟。
「道の駅いながわ」の施設は3つの棟(トイレを合わせると4棟)で構成されている。
休憩もできる「地域農業情報センター」、野菜を販売しているのは「農作物販売センター」。そして、十割そばが味わえるのは「そばの館」。
そしてその北に、さらにいくつか飲食施設が連なっている。
ここ地域農業情報センターでは、農産物を原材料とした漬物など一般加工品や地酒・味噌・佃煮・乾燥しいたけ・おかき・饅頭・陶器などの特産加工品を展示販売しており、町内農家情報や観光情報・渋滞情報などを提供している。
そばの館では、猪名川町特産のそばを材料につなぎ粉を使わないそば粉100%の「十割そば」のメニューを提供しており、予約をすれば、そば打ちを実体験できる手打ち体験道場を楽しんだりもできる。
猪名川町の野菜は美味しい
農産物販売センターでは、毎朝、猪名川町の農家などから直接運び込まれる安全・安心・新鮮な四季折々の野菜、切り花、加工品等を販売している。
道の駅いながわの一番人気は、町内産の新鮮野菜だ。
朝採りの新鮮野菜を求めて連日開店前から列ができ、週末はなんと100名を超える行列ができることも珍しくないという。
いながわ野菜、人気の秘密
では、猪名川町の野菜はなぜこれほど人気なのか!?
大阪と兵庫を縫うように流れる猪名川。その源流が、猪名川町にあるため、水が清く豊かだからだという。そして、寒暖の差が大きい気候。この2つが、おいしい野菜が育つ秘密だという。
その上で、町内のたくさんの農家が安心・安全な栽培に積極的に取り組んでおられることが大きい。「道の駅いながわ」に並ぶ町内産の野菜は、どれも生産者の名前が記載されている。ファンになった農家さんの野菜を求めてリピートする人が何度も訪れるという。
だから、午後になると売り切れてしまうものが多い。週末なら、朝一の来場で列に並ぶ必要があるだろう。
猪名川町内産の「そば」から作る十割そば
食事処そばの館では、猪名川町内産の「そば」から作る十割そばを味わえる。
つなぎを使わない、つまり十割のそばは、深い味わいで、香りがいい。毎日打ち立てのものだけを提供しておられるので、新鮮なのも美味しさの秘密か。写真は1番人気の天ざるそば定食。
そばうちの体験ができる十割そば手打ち体験道場も併設している(こちらは要予約)。1鉢2100円で4~5人前のそばが出来上がるが、これを持ち帰るもよし、1鉢500円の追加代金で自分の打ち立てそばをそこで食べることもよし。
焼きたてパン、精肉、ジェラート、ソフトクリームなども
焼きたてパンとコーヒーの店。小腹が空いている場合、コーヒー休憩に利用するといいだろう。私はここの「パンのみみ」のファンなのだが、売り切れてしまっていることが多く、この日もがっかり。
肉の自動販売機などは、ここ以外ではあまり見かけない。
そばソフトクリーム、名前を聞いても美味そうには思わないが、食べた方には好評だそう。
ここから近い絶景「屏風岩」
猪名川渓谷自然公園を南北に走るのが、景観の造形者・猪名川。
その清流に高さ30m、幅100mにわたる断崖絶壁の崖が、まるで屏風を立てたような景観をつくり出している。付けられた名は、「屏風岩」。
江戸時代の観光ガイドブックである『摂津名所図会』には、春の桜,夏の蛍、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の自然豊かな景観が楽しめることもあるのだろう、「北摂第一の名勝地」とうたわれている。
周囲には『烏帽子岩』や『鬼ケ門』など奇岩が織りなす多彩な絶景スポットがある。
寛政9年(1797)、大坂の俳人・大江丸が新緑の頃この地を訪れ,船遊びをしたそうな。その時に彼は「若葉まて 百年ののち ここに来む」と詠んだが、その新緑の風景とは、きっとこのような絶景だったに違いない。
ここから近い名所「多田銀銅山」
平安時代から銀や銅が掘られ、豊臣時代に直轄鉱山となり、江戸時代には「銀山三千軒」と称されるほど賑わいをみせた多田銀銅山にも、道の駅「いながわ」が最寄り。平成27年(2015)に県内の鉱山遺跡で初めての国史跡に指定さこの場所にも、ぜひ行ってみたい。多田銀銅山にまつわる絵図や古文書、鉱石、鉱山道具の資料が展示されている「多田銀銅山 悠久の館」や、町内で唯一坑道の中を見学できる「青木間歩(まぶ)」、「悠久広場(堀家精錬所跡)」なども周辺にある。
多田銀銅山の歴史は古く、奈良・平安時代の昔にさかのぼる。奈良東大寺の大仏建立の際、使用した銅もここから産出されたといわれているのだ。
行ったからにはぜひ見学・体験したいのが、青木間歩(あおきまぶ)だ。
間歩(まぶ)すなわち坑道だが、多田銀銅山遺跡の中で唯一坑道内を体験できる青木間歩は、周囲にアオキが茂っていたことからその名が付いたといわれている。これまで見えなかった古い坑道を安全に見学できるよう、令和3年4月にリニューアルされたおかげで、よりリアルに歴史探訪ができるようになっている!