
赤羽根漁港は、渥美半島中央部の太平洋に面した田原海岸の中にある。
この地の沖合は昔から良好な漁場であるが、太平洋の荒波をまともに受ける厳しい自然条件にあることから漁船の遭難事故が相次ぎ、避難港建設の要望が高まったため、昭和27年11月11日に県内唯一の第4種漁港に指定された。
それ以降、赤羽根漁港は、「漁港整備長期計画」による工事が何度も行われてきたが、現在急ピッチで行われているのは整備のための工事ではない。
近いうちに来るであろう「南海トラフ」「東南海地震」の津波対策工事だ。
赤羽根漁港海岸は南海トラフ地震発生後、13分で津波到達が予想されている。
にもかかわらず漁業活動の利便性等を優先し、海岸保全施設が整備されていない箇所が存在するため、津波の襲来時には地盤高の低い背後集落は津波に飲まれる危険が叫ばれてきた。
しかし依然として、冒頭の写真のように、津波に対して「無防備」な状況にあると指摘せざるを得ない。現在行われている工事も、津波高の想定変更(上昇)、浸水想定範囲の拡大のたびに、焼け石に水、まったく不十分であることが指摘され続けている。
サーファーと釣り客で賑わう
東名高速道路の豊川ICから南西方向に37キロ、 渥美半島のちょうど真ん中付近で遠州灘に面する旧赤羽根町(現田原市赤羽根町)に、赤羽根漁港がある。



道中、高さ20m~30mに及ぶ海食崖が連続する場所では、道の反対側に防潮林、畑地があって、その中に民家が点在しているのが見える。
赤羽根漁港海岸は、静岡県御前崎から愛知県伊良湖岬までわが国有数の長大な砂浜が続く「遠州灘海岸」の一部で、年間を通してサーフィン、魚釣りなど海洋性レクリエーションの場として多くの人を集める場所である。
海岸線は見渡す限りの砂浜が続いていて、太平洋の「いい波」が押し寄せることからサーフィンの名所となっている。
また、赤羽根漁港の堤防の先端にあたる東堤防周辺では、サビキ釣りやウキ釣りなど、足元を探る根魚も狙えるだけでなく、外洋が荒れた時に港内に入る魚が狙い目となる釣りの名所だ。

車を捨て自分の足で高台へ
サーフィンにしろ釣りにしろ、南海トラフ地震の際には、たちまち命の危険が迫る。南海トラフ地震が発生した場合、たった13分で10〜20メートルあるいはそれ以上の津波が到達するだろうから。
慌てて逃げるべきだが、車に戻って逃げようとするのはかえって危険と思われる。重要交通施設として緊急輸送道路に位置付けられている国道42号が整備されているが、間違いなく大渋滞して動けなくなるだろう。
事前に避難経路を必ず確認しておいて、車に構わず、自分の足で、ひたすら「高台」へ。
これが有事の絶対的基本だろう。
道の駅「あかばねロコステーション」
そんな赤羽根漁港海岸に道の駅「赤羽根ロコステーション」はある。




サーフィンの絶好ポイントを意味する「ロコポイント」から取った「ロコ」が道の駅の名に冠せられているが、駅の横にはサーフィンの名所「赤羽根ロコパーク」があって、多くのサーファーが集まってくるが、その人たちの利用も多いようだ。


道の駅には現役のプロサーファーが経営するサーフィンスクールがあって、初心者のサーフィン体験
をサポートしている。

駐車場だが、駅横の赤羽根ロコパークの駐車場から溢れた車が道の駅の駐車場に流れ込むために 駐車場が混雑することがあるそうで、もちろんそうした事態は夏により多く見られるという。


トイレは、混雑時も想定されているようで、かなり大きな規模だ。
そして、綺麗に清掃していただいており、気持ちよく使うことができた。



トイレに比べると、休憩施設としての充実は感じない。



道の駅の客数はそれ程多くないので、ゆっくりと買い物や食事を楽しむことができる。
また、道の駅の周辺は、旧赤羽根町の中心街から少し離れていて、とても静かである。 天気が良ければ、レンタサイクルを利用しての散策は気持ちいいだろう。
海産物代表は釜揚げしらす
道の駅には、物産館、農作物直売所、海産物直売所、レストランがある。
田原市は花の生産量が日本一らしい。物産館では、かなりのスペースをとって、さまざまな花の販売が行われている。


大漁旗が目立つので、まず海産物直売所に行ってみると、「釜揚げしらす」を中心に、赤羽根漁港で水揚げされる魚介類およびその加工品が販売されていた。


釜揚げしらすの他には、田原市限定販売の味付け海苔である「のり仲間」が美味しそう。 厳選された海苔に秘伝のタレで味付けされた味付け海苔だ。
農産物代表はメロン
渥美半島の特産品といえばメロン。そして、デコポンなどさまざまな果物、トマトなどの野菜はどれも新鮮で美味しそうだ。






左党の私としては、醤油漬け、酒粕漬け、八丁味噌漬けなどの「メロンの漬物」や「メロン漬け金山寺味噌」、大アサリ、あおさのりなどに惹かれた。
甘党の方には「亀若スイートポテト」がおすすめできそう。これは渥美半島産のさつま芋「紅あずま」を用いたスイートポテトで明治神宮奉納菓子でもあるから間違いないと思う。
田原茶、田原ポークも田原市ならではの、人気の特産品。 田原ポークは駅の一角にある専用の販売所で売っていた。
展望デッキでハワイアンBBQ
サーファーでもない普通のオジンの私などは入店するのに勇気が入りそうなレストラン「LuLuMoana(ルルモアナ)」。
どうやら普通にしらす丼もいただけるようだが、2階の展望デッキではオシャレな太平洋ロングビーチを眺めながらのハワイアンBBQが楽しめるようだ(予約制)。

