グルメを極めた愛知県最大級の道の駅「とよはし」から、三河国の「一宮」と「総社」へ(トイレ○仮眠△休憩△景観△食事◎設備◎立地○)

一宮 (いちのみや、一之宮)とは、今の都道府県規模の、昔の地域区分旧国の地域内で最も格式が高いとされる神社である。

醜い争いは侵略戦争だけでたくさん。あまり見たくはないが、神社の社格を示す格式を「我こそは一番」と互いに譲らず、旧国地域内に複数の一宮がある場合もままあるようだ。

また、総社 (そうじゃ)とされる神社がある。

こちらは、旧国地域内の主要神社の神々を全て集めて祀る神社のこと。

今の県知事にあたる人が、昔の国司であるが、その国に着任しての最初の仕事は、旧国内の全ての神社を参拝することだった。これが非常に大変だったので、国府(今の県庁)の近くに一箇所に集めて祀ることで、全域巡回の労力を省いて生まれた、それが「総社」である。

今で言う業務効率化をなさったわけだが、おかげさまで?この「総社」にお参りすると、「その地方全部の神社にお参りしたことになる」ことにもなった。お参りする我々にとってはとてもお得な神社ということである(笑)。

ということで、この「一宮」と「総社」は旧国で一番格式の高い神社の「陰陽ペア」。セットで旧国全域の守護神社となるという。

さて いま旅しているのは「三河国」だが、現在の愛知県東部。岡崎市、安城市、蒲郡市などの西三河地方と、豊橋市、豊川市などの東三河地方を含む地域。ここの一宮である「砥鹿神社」と「三河国総社」は互いに車で10キロも離れていない。
グルメを極めた道の駅との評判高い道の駅「とよはし」からの最短距離で、ありがたく両方に参拝させていただいた。

三河国内の筆頭神社、一宮である砥鹿神社

砥鹿神社は、後で参拝するが本宮山に1300年以上前から鎮まる神を祀る奥宮と、ここ、里にて祀る里宮とで「二所一体」の崇敬を集める神社である。

701年(大宝元)、文武天皇の使者としてこの地に来た草鹿砥公宣卿(くさかどきんのぶきょう)が本宮山の山中で不思議な老人に会い,その指示で創建されたものと伝わっている。

本宮山頂には砥鹿神社の奥宮がまつられている。その神は大己貴命で、いつのころからか三河国の一宮とされ,10世紀初頭に書かれた延喜式の中にも記載されている。

大己貴命をお祀りする三河国一之宮砥鹿神社の里宮。

四囲を欅、楠の大樹に囲まれて、荘厳な社殿が建っている。里宮の社殿は伝統的木造建築の檜造りで、鎮守の杜は欅や楠の大樹が茂り、桜の季節も美しい。

本宮山は、連なる峰々を越え東三河の平野に聳え立つ海抜789mの霊山だ。

里宮近くを流れる豊川の岸辺に立って北方を望めば、山頂に笠を伏せたように見える、周囲から一際秀でた山である。本宮山東三河平野の何処からも拝することができるこの山には、神代より砥鹿の大神様が鎮まられておられ、御神徳を慕って山頂の奥宮へ登拝する人々は年中絶えない。

三河国の総社へ

大化二年(646)の改新の詔以来、大宝元年(701)の大宝律令までの間に、日本は国家体制と地方行政組織を整えている。この頃「穂の国」と言われていた今の東三河が、当時の三河国だった西三河と一国になり(三河国)となり、その三河国庁が「総社」の東側に置かれた。

都から赴任する国司はまず、「三河国内神名帳」に所載されてる所神社を巡拝し、その6年または4年の任期の間、諸神社を巡拝し幣帛を奉らなくてはならなかったが、平安時代の嵯峨天皇の弘仁年間(9世紀前半)に三河国内神名帳の59社の神霊をこの社に祭り、国司巡拝の代わりとした。
ちなみに、足利義満時代永和4年12月(1378))の棟札にも、「智鯉鮒宮 総社58社大明神に建立し奉る」とある。

愛知県内最大規模の道の駅「とよはし」

愛知県南部の豊橋市から豊明市までを結ぶ高規格道路の国道23号線バイパス(名豊道路)沿いに道の駅「とよはし」がある。ここからバイパスを北上すれば、砥鹿神社と三河国総社はもう近い距離になる。

道の駅「とよはし」はとにかくでかい。その規模は愛知県内最大級。全国的にも最大を競う規模ではないだろうか。

駐車可能台数は普通車区分、大型区分を合わせると、なんと258台。

駐車場は施設沿道の道路を挟んで両側にあるのだが、それぞれが、特に東側があまりにも広すぎるゆえ、駐車場への入場には大いに戸惑った。 迷ったせいで、とにかくだだっ広い施設から遠い駐車場に停めたのだが、結果的には吉。施設に近いところは常に満杯状態、待機する車が並んでいた。

トイレは、施設規模に合わせてちゃんと対応。館内数カ所ともわかりやすいし綺麗で、気持ちよく使わせていただけた。

単純な休憩目的には向いていない。
半日ぐらい使って買い物を楽しむつもりでくる方が満足感は高いと思う。

施設に関しても、複数の物産館、どでかい農作物直売所、レストラン、フードコーナー、ベーカリーなど飲食施設も多彩。

また、出店の数が多くて、これらので店だけでも楽しめる。

道の駅最大級の農産物直売所

農作物直売所「あぐりパーク食彩村」は、とにかくでかい。
野菜・果物、 その加工品を含めるとおそらく200種類以上が売られているのではないだろうか。 

「あぐりパーク食彩村」には、普通のスーパーで買える野菜はもちろん全て揃っていて、緑ナス、水前寺菜、ふだん草、バターナッツ、ドラゴンフルーツ、 ブラックジャックという黒いスイカなど、珍しいものもたくさんある。

肉類、魚介類の売り場も広い。

三河地方の特産品で、左党として「ヤマサのちくわ」「三河うなぎの蒲焼」「豊橋柿ピー」を探したが、まあ大変。地元の人たちは慣れたものなんだろうが。

コンセプトショップとベーカリー

観光客にウケそうなのは、この農産物直売所「あぐりパーク食彩村」の隣の「Tomate(トマッテ)」の方だろう。

「Tomate(トマッテ)」は、地元の“食”と“農”にこだわった注目のグルメスポットとして、国内トップクラスの農業地帯である豊橋の地元食材を使ったグルメが堪能できる施設。

Tomate(トマッテ)の中にある「temiyo(テミヨ)」は、豊橋に住む人たちとの縁を生む、「てみよう」をコンセプトにしている。この地の魅力がつまった商品を「送ってみよう。/ 使ってみよう。/ 試してみよう。」というわけだ。

道の駅とよはし temiyo

また、駅施設の入り口付近には「コッペとサンド オリーブの風」というベーカリーがあって、10種類 ある「おかずのコッペ」、 13種類ある「デザートコッペ」が13種類は、注文を受けてから作るのだとか。

1斤で1200円もする高級食パン「オレンジーナ(この記事トップの写真)」も、見ているとどんどん売れていくし。

それだけで、このベーカリーの商品は相当おいしいとわかる。

いやはやもう、おいしいものが「お見えになりすぎ」…

ベーカリーの他に、「食」に関する施設はレストラン「いっしょうめし」、うどん店「つるあん」「ヤマサちくわの店」等々、もういっぱい「お見えになりすぎだぎゃあ」…。
「豊橋牛」を使った「豊橋牛まぶし」「豊橋手巻き寿司」「豊橋うなぎのひつまぶし」「豊橋牛まぶしカレー」「豊橋カレーうどん」「ヤマサのちくわ」「コーンちくわ」「竹輪うずらフライ」など、どれも美味しそうで、もうどないせえっちゅ〜ねんと言いたい。
迷いに迷った挙句、清水の舞台から飛び降りる覚悟で選んだのは、レストラン「いっしょうめし」。注文したのは豊橋牛を使った「豊橋牛まぶし」だ。

鰻のひつまぶしは食べたことがあるが、牛は初めて。

稼ぎの少ない私にとってはとびきりの贅沢品だ。

最初は「そのまま食べ」、次は「薬味(刻みネギ、しそ、わさび)を加えて食べ」、その次は「豊橋うずらトロロを掛けて」いただいた。
文句なし。皆さんにも自信を持ってお勧めできる、大満足の一品だった。