2024年になりました。
私こと、2月9日で66歳になります。この66歳をスタートラインとして自らの人生をセカンドライフに切り替え、その中心にゴルフを据えることにしました。そして、エージシュートを目指します。そして、それを達成するまでのその遙かな道のりのすべてを克明に残していこうとの思いから、ラウンドを開始する前、新年のスタートにあたってこのブログを始めることにいたしました。
個人的な備忘録になればそれで十分なのですが、同様の目標を持ってセカンドライフを送っておられる皆さまと繋がる機会になったりすると、なお嬉しく思います。
よろしければ末長く(笑)お付き合いください。
エージシュートへの思い
さて みなさんにとって「エージシュート」とはどのような存在なのだろう?
すでに達成しておられる方には、ただただ、リスペクトあるのみ。
もうすぐ達成できるところまで来ておられる方には、心からエールを送りたい。
私の場合は、「ああ、どこかにはそういう方もいらっしゃるのだろうな」「いつか私もできるようになるのだろうか?」と人ごとのように思いながら馬齢を重ねてきた。
ゴルフは社会に出て3年目、先輩から半ば強制的に始めさせられたが、仕事に追われる日々でまともには取り組めず、結婚して子ども2人の父親となってからは子育てに追われる日々。子ども二人が中学、高校へと進み手がかからなくなった45〜55歳あたりにいったんしっかり取り組めるようになり、この頃にベストスコア77までいったが、再び仕事でクラブを握れなくなってしまい、ついに長年の不摂生がたたっての心筋梗塞、そして脊柱管狭窄症でゴルフどころではなくなってしまう。
幸い心筋梗塞からは運良く生還したが、脊柱管狭窄の方は手術を避けたので激しい腰痛と足の痺れは残ったまま65歳となり、仕事をセミリタイア。「少し時間ができた分はこれまであまりできなかったゴルフに真剣に取り組んでみよう」などと癒えぬ腰痛を棚上げして1年間考えていると、非現実的で遠い「エージシュート」というものが、だんだん「現実的な存在」へ、「必ず達成したい目標」へと変化してきた。
そこで設定したのが、66歳からの6年かけて本気でゴルフに取り組み、何が何でもパープレーを達成するという目標である。つまりは2030年、72歳でエージシューターになるということだ。その思いはとても強いが、私の現在の実力からはかけ離れた遠いところにある目標だ。そこで、決して挫けないため、諦めることのないように、このブログに道のりの全てを赤裸々に綴っていくことにしたのである。
若い頃は達成不可能なエージシュート
エージシュートとは、「Age(年齢)」と「shooting(打つこと)」という英語を組み合わせた和製英語だと思っていた。しかしage shootで、アメリカのネイティブにちゃんと通じるようだ。
その意味は、1ラウンド(18ホール)を回って、自分の年齢以下のスコアでホールアウトすること。
例えば72歳のゴルファーが、スコア72、もしくはそれ以下の打数で18ホールを回ったらエージシュートということになる。そして、エージシュートを達成したゴルファーは、「エージシューター」を名乗ることができるのだ。
しかしこのエージシュート、私のようなアベレージゴルファーに毛が生えた程度のシニアゴルファーのレベルから見ると、達成の難易度はあまりに高い。夢のまた夢の偉業と憧れるしかなかった。
エージシュートは、若い頃の達成はまったく不可能である。
たとえば私が一旦ゴルフ全盛期に達したのは45歳だったが、その年齢でエージシュートを達成するには、スコア45、つまり1ラウンドを27アンダーで回る必要があるのだ。
1ラウンド18ホールを27アンダーで回るなんて、全盛期のタイガーウッズでも絶対無理なのだ。
ではエージシュートするのに現実味が出てくるのは、何歳ぐらいからか。
世界を見渡して、正式なエージシュートの最年少記録として残っているのは、アメリカのボブ・ハミルトンプロが1975年、当時59歳の時に59ストロークで達成した記録だそうな。59歳で59ストロークって、ほぼ還暦のおっさんが5ホールだけパーで、あと13ホールすべてバーディーで回るってこと。アンビリーバボーw
ツアーでエージシュートを連発した青木功さん
私がもっとも尊敬するプロゴルファーは、青木功さんである。
1980年の全米オープン、米ツアーではまったく無名の青木功さんはほぼ飛び入りのような形で出場され、あの帝王ジャック・ニクラスと4日間同じ組でがっぷり4つの激闘を続けて、惜しくも2位となった(優勝はニクラス)。
世界に通用する初めての日本人ゴルファーとして長年にわたって活躍し、男子レギュラーツアーを離れた青木功さんは、2007年65歳で出場した日本シニアオープン最終日に65を出して優勝するのだが、これは、レジェンド中村寅吉さんの記録(65歳でスコア65)を更新し、当時日本のプロの最年少エージシュート記録となった偉業である。(ちなみに現在の国内最年少記録は伊藤正巳プロが63歳だった2019年に達成した62ストローク)
青木功さんがすごいのは、その後も66歳になったばかりの2008年には鬼ノ城シニアオープン最終ラウンドで66のスコアを叩き出して優勝し、さらに2010年のザ・レジェンド・チャリティでは大会実行委員として出場して、67歳で66をマーク。そして69歳になられた2011年のシニアツアー「コマツオープン」の大会初日にも、スコア69で回ってのけるなど、公式競技でエージシュートを連発したことである。
青木功さんの誕生日は1942年8月31日である。ちなみに1958年生まれの私は16歳も年下で、青木さんのコマツオープンでのエージシュートは、私が53歳の時だった。ちょうど2011年11月の第一回神戸マラソンにエントリーしていて、急激な減量と練習のオーバーワークで腰と膝を痛め、情けないことに棄権を検討していたそんな時に目の当たりにしたのが、青木さんの69歳69のエージシュートであった。あまりの感動に、私はフルマラソンに強行出走。泣きながらなんとか完走したことが懐かしく思い出される。
え?そんなことはどうでもいい?失礼しました。
エージシュートのレジェンドたち
すごいエージシュート記録を残された方は、ほかにもいる。
マムシと異名をとった杉原輝雄さんは71歳だった2008年、同じ試合で2日連続で達成(スコアは70と71)。ジャンボこと尾崎将司さんがすごいのは、シニアの試合ではなく、最高峰の男子レギュラーツアーで、しかも2度も達成したことである。66歳で出場した時にはなんと62ストローク、70歳で70ストローク。やはりジャンボはゴルフ界のレジェンド、凄すぎる。
女子では、岡田美智子プロが国内女子で初となる76歳で74ストロークのエージシュートを2021年に達成されている。
いずれにしてもプロは、我々アマチュアとはかけ離れた技量を持っている。ツアーの試合なんて、もし我々アマが回った日にゃあ確実に「110の王ライオン」になるであろう極めてハードなコースセッティングの中で行われるわけで、そこでエージシュートを達成するなんて。考えるだけで私の開いた口は塞がらないのである。
エージシュートの適齢期
私がそんなエージシュートを少し真面目に目指してみようと最初に考えたのは、還暦を迎えた時であった。干支というと【ね・うし・とら・うー … 】を思い浮かべるのが普通だが、 正確には十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせて形成されているらしい。干支(えと)の「支」は「十二支」のことで、ご存知のとおり以下の12種類である。
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
また、干支(えと)の「干」はあまりなじみがないかもしれないが、「十干」のことで、 以下の10種類がある。
甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
この組み合わせが60種類あることから、干支が一回りするのには60年かかるのだ。そして60年経てば卵から孵化したお玉杓子が、完全に元の暦にカエルという意味で「還暦」と呼ばれているらしい。
カエルがお玉杓子として過ごす期間は短いが、私は還暦までは子育て最優先で、仕事にも追われ続けてきた。振り返れば、年に1度もラウンドしない年の方が圧倒的に多い。そして還暦でようやくカエルとして両手でクラブを握れるようになった矢先に、私は重大な2つの病気にかかってしまったのである。
病気についての詳細はまた次回以降のブログで書こうと思うが、結局2つの病気の治療に5年もかかってしまう。ゴルフを再開できぬまま、あっという間に65歳に達してしまった。
65歳になった私は、仕事の量を減らしてセミリタイアの体制に入ったことで、自由な時間が増えた。そんな時間に、エージシュートという夢を実現するのに“チャンス”“狙い目”があるとすれば、何歳ぐらいが最も達成しやすいのだろうか?と考えたながら1年間、腰痛の改善につとめてきた。
全国のエージシューターを取材しておられる高橋健二氏によると、彼が取材なさった約100名のエージシューターが初めて達成した年齢の平均は78.6歳ということである。ただし、70歳代では毎回達成というわけにいかず、みなさんコンスタントにエージシュートが出るようになるのは、80を超えてからになるという。
九州ゴルフ連盟では、80歳以上を対象に、グランドシニアの上に「スーパーシニア部門」を設けて大会を開いている。その「スーパーシニア部門」の大会でエージシュートを出す人は年々増加しているそうで、直近では95名の参加者のうち29名、およそ3割の方がエージシュートを達成されたそうだ。(達成された方の年齢帯は84~85歳が一番多かった)
こうした情報から考えると、どうやらアマチュアゴルファーのエージシュート適齢期は84~85歳と言えそうである。
「85」というスコアは、“ボギーペースにパーが5個”。
そう考えれば、ドライバーの飛距離が200ヤード以下に落ちても、しぶとく寄せワンで頑張れば実現可能な数字に思われる。
ただ、この85という年齢って男の平均寿命を超える年齢である。85歳まで元気に18ホール回れる体を維持すること自体が、至難の業と言わざるを得ない。
遠い道のりでも、必ず達成したい!
私は、まだ体力があるうちにあらゆる技術を向上させなければと考えた。そして遅くても10年後の75歳の時に3オーバーの75ストロークで、できれば72歳の時にパープレーで回るという目標を設定した。
一般的にエージシュートと言えば、「自身の年齢以下のスコアでラウンドした」という意味合いで使われることが多い。しかし自己満足ではなく、エージシュートを公認されるには、一定の規定をクリアしなければならないようである。
公認団体によって異なる部分はあるようだが、「日本エージシューター協会」の規定によれば、スコア以外に以下のようなルールがある。
・男性の場合:6,000ヤード以上のコースで達成すること
・女性の場合:5,000ヤード以上のコースで達成すること。
つまり、既定のヤーテージより短く設定されているシルバーティーやレディースティーから年齢以下のスコアを達成しても公認団体が示すエージシュートには当たらないわけである。私はもちろんこの規定を満たして達成したいと思うので、今後10年プレーしていくゴルフ場を決めることにした。(日本の名コース100にランクインするゴルフ場や、全国各地の名門、人気コースから100のゴルフ場をリストアップし、この100コースを達成するまで回り続けることにする)
エージシュートは、飛距離や身体の衰えが進んでいくシニアゴルファーが、まさにゴルフ人生あるいはセカンドライフの最大目標とするのに相応しいものだと私は思う。
だからこそ。
生涯の仲間とプレーし、一緒にエージシュートを達成したい。
そんな願いを10年後に必ず実現するために、10年日誌もつけ始めたし、このブログも死なない限り続けていこうと思っている。
ゴルフを愛するみなさんと、ゴルフを通して、ともにエージシュートへの道を歩む中で出会い、つながっていくことができれば最高だ!