ニッサンNV200バネット「MYROOM(マイルーム)」が正式に発表されました。
「NV200バネット」をベースに、キャビンに特別な架装(狭いが一人ならゆったり寝ることができるマイルーム)を施したワンボックス車です。
「自分のお気に入りの部屋ごと自然の中に持ち込んで、リラックス(憩うこと)ができる、新たな車中泊のカタチ」を望んでいた私の、まさにストライクゾーンど真ん中に投げ込まれてきました。
早速、プレリュードを購入以来もう10年以上、保険を含めてお世話になっているディーラー(兵庫日産)のSさんに相談。
100%納得できたので、なんと今日、早速注文してしまいました(笑)。
私のクルマ観
私はこれまで奇跡的に(笑)金回りが良かった時期にすら、いわゆる高級車には一度たりとも手を出したことがなかった。
理由は3つ。
一つ目は、私などには高級車は分不相応、似合いはしないとずっと思ってきたこと。
2つ目は、車をあくまで移動手段と考えていて、純粋に道具として考えていたから。斧ならば、金である必要も銀である必要もなく、鉄の斧が良いわけで。
そして3つ目は、私が知っている高級車オーナーが、揃いも揃ってろくでなしな人間だったからだ(笑)
私とほぼ同じ年齢の例だけでも枚挙にいとまがない。公益財団法人を私物化してフェラーリやポルシェを乗り回していたOは刑務所に入ったが出所後ヨットハーバーで若くして死んだ。ポルシェ一筋だった友人Dは、会社を潰して自殺した。塾経営2代目のアホボンSは学生時代からジャガー、その後も親御さんたちの親心、月謝という浄財を自らの高級外車やレクサスなどを取っ替え引っ替えするのにつぎ込み続けたが、重度の糖尿病でいよいよ先は長くない。バブルで手にした大金を隠して銀行からの膨大な借入れを全て踏み倒して会社を計画倒産させ、その後もベンツを乗り回し隠していた金で豪遊していたTは、子どもたちにその因果が報いことごとく不幸に。同じくベンツ大好きで詐欺などの罪で収監されたIは、服役中に妻が病死。デート商法で大儲けし最高級ベンツに乗っていたSの本社には銃弾が打ち込まれた。
高級車に乗る方がみな同じような人間とは思わないが、私の周りはほぼ全員、アホだった。
「そんなに儲かってお金をおられるのなら、少しは恵まれない子どもたちなどにお金を回されたらどうでしょう?」と提案するたび、彼らは決まってこう言った。
「節税しとるだけや」と。
「徳」のかけらもなく、自分の「得」だけを追うやつが、己の空っぽさを隠すために、あるいは金こそが人生勝利の証とでも勘違いしてその成功をひけらかしたいがために、より高級な車を追い求め、乗っている。私には、彼らがそんなふうに見えていた。
実にお利口な車遍歴(笑)
かたや私がこれまで乗ってきた車は、
トヨタはカリーナ、コロナ、カローラ、スターレット、ヴィッツの5台。
日産ではノートを2代にわたって2台とプレサージュ。
ホンダは、オデッセイの4輪駆動が気に入ってなんと初代から三代を乗り換え、家族でスキーを楽しんだ(3台)。
あと、社用車としては徹底的にコスパを追求した結果、軽が多く、スズキのワゴンRを2台、スイフト(これは乗用車)、ダイハツのミライースといったところを使ってきた。
通算で運転歴ほぼ50年で15台を乗り換えてきたということになるが、これら15台のすべての新車価格は、見事に100万円台から400万円に収まってきた(笑)。
だからといって安かろう悪かろうでは決してなかった。
これまでに走ってきた距離はほぼ100万キロで、地球の外周が40,075 kmだから25周もしたことになるが、故障したのはたったの1回だけである。
日本のクルマは安くて優秀、各社の技術力は本当に素晴らしい。
車選びというより、生き方選び
今私は、老老介護の真っ只中にいる。
詳しくは先日「老老介護」の投稿で書いたから割愛するが、高齢の両親を、2人それぞれに移動の負担を最小限にして運べて、尚且つ車からおろさなくても目的地で楽しんでもらえるような車はないかという視点で車を探していた。特に父はほぼ歩けなくなっているから。
もう一つ、自分自身のこれからしたいことを、相棒として支えてくれる車はどれだという視点があった。車は4年10万キロ走行時点で乗り換えるペースが私のこれまでだったし、だから今後4〜5年のビジョンに照らしつつ、ほぼ1年間かけて次の車を探していたところだった。
今回の予算設定は、過去一度もなかった400万円〜上限500万円。私の車に対する価値観のギリギリのところで設定した。
なので、もちろん今回もレクサスや会社など、高級車は軒並みハナから射程圏外だ(笑)。
最有力だった対抗馬は、同じニッサンのキャラバン。同じマイルームの設定があった。
雪道での4躯性能に定評があるエクストレイルもギリ車中泊ができるので検討した。
トヨタではハイエースとハリアー、4躯が魅力のスバルはレガシーオートバック、ちょっと小ぶりすぎるが軽で唯一車中泊ができそうなホンダN-BoxもちょうどEVが出たので真剣に検討した。
比較検討していた車
結果、最終的に対抗馬として残ったのはキャラバンMYROOMだった。2台を徹底的に比較検討して、より一人旅には向いていそうなNV200バネットMYROOMに決めた。
絶対的な広さではキャラバンMYROOMよりコンパクトなのだが、当面これに乗せるのは父と母。一人旅ならこの大きさで十分だし、木目をふんだんに使った空間や、多彩なアレンジを可能とする特製の2列目シートはキャラバンと同じ。
あとは燃費と価格差、使い勝手の判断となった。
キャラバンよりほぼ200万円安く、4WDを捨ててFFを選択すると燃費もNV200バネットに軍配があがる。仕事での移動もまだあるので、それを考えても5ナンバーサイズで取り回しの良いNV200バネットのほうがよかろうと思えた。
決定打となったのは、弾き語りをする私が、車で誰もいないところに行けば、周囲に気を使わずに練習できると考え、この車をいっそ「音楽スタジオ」に改造できないかと検討したことだ。
そのためににはポータブル電源が必要となるが、その設定がしっかりなされていた。
それより何より、奇跡としか思えないことがあった。
NV200バネットのベッド幅は1,200mm、その幅より60mmだけ長い私の88軒の電子ピアノが、ちょうどベッドに腰掛けてちょうど良い高さに設定されているテーブル幅と偶然にも全く同じ長さで、ビタビタぴったりに収まるのだ。2ミリ長くても、逆に2ミリ短くてもダメだった。
まさに奇跡的な偶然である!
ここに、ピアノの腕前の奇跡的向上までが約束され(笑)もはや全ての他の選択肢は跡形もなく消えてしまったのであった(笑)。