
高山本線は、岐阜県岐阜市の岐阜駅から富山県富山市の富山駅に至る、総延長225.8 kmの鉄道路線(地方交通線)である。
高山本線は、飛騨高地の山間を通って中京と北陸を結んでいる(岐阜-猪谷間はJR東海、猪谷-富山間はJR西日本の管轄)が、実は中京から北陸へのアクセスは北陸本線の方が速い。
なので、高山本線はもっぱら中京もしくは北陸から「飛騨地方」へのアクセス路線として利用されているようだ。
確かに高山本線の沿線には下呂温泉もあるし、高山市、飛騨市などの観光地が多い。
高山市から白川郷合掌集落や奥飛騨温泉郷、乗鞍岳などへのバスも出ているが、この高山本線に沿って、この飛騨地方全体が言わば一大観光地となっている。
大阪、名古屋、富山から飛騨地方に直接アクセスできる高山本線の優等列車といえば、なんと言っても特急「ワイドビューひだ」だった。
ちなみに「ワイドビューひだ」は、キハ85系車両が運行していたが、2023年3月18日のダイヤ改正でキハ85系は全廃され、名古屋-高山間5往復(うち1往復は大阪-高山間を併結)、名古屋-飛騨古川間1往復、名古屋-富山間4往復すべてHC85系に置き換えられた。また、なぜか愛称「ワイドビュー」が廃止され、高山線「ひだ」に改称されている。



大阪~高山4時間26分ロングラン特急利用者の多くはインバウンド
2023年3月のダイヤ改正で、東海道本線米原駅経由でJR西日本管内まで乗り入れ大阪駅に発着する「ひだ25号」「ひだ36号」(以下:「大阪ひだ」)の存続が危惧されたが、この1往復もなんとかかんとかHC85系に変わって、運行が続いている。

というのも、2016年に通称「大阪しなの」が廃止され、同様に利用者が少なかった「大阪ひだ」の継続が危ぶまれていたのだ。
ところが、インバウンド効果で1日1往復大阪~高山4時間26分ロングラン特急の需要は一気に高まったのだ。とりわけ高山駅から濃飛バスで50分の白川郷に、合掌造り集落に魅せられた海外の方が殺到。「ひだ」の乗客の多くが外国人という状態が続き、京都~高山~白川郷~金沢、あるいは高山から上高地経由で長野……と続く観光周遊ルートの一つに組み込まれたのである。
それにしても、すっかり薄くなっていた高山直通列車の存在意義が、まさかインバウンドで復活するとは…。
高山本線「しらかわぐち」の北、飛騨川沿いの道の駅「飛騨白川」
東海環状自動車道の美濃加茂ICから国道41号線を北東に約30キロ、 15キロを過ぎた辺りからはほとんど左手に山林を縫うように走るJR高山線、右手には飛騨川を見ながら車を走らせていると、突然、欧州風というか一風変わった背の高い建物が見えてくる。



この建物は道の駅「美濃白川」の施設の一つで、愛称は「ピアチェーレ」。
イタリア語で「はじめまして」の意味だが、オルガン製作者、辻宏氏が、イタリアの教会の、修復不可能と思われていた古いパイプオルガンを見事に復活させたことからイタリアとの縁が生まれ、 辻氏が白川町出身であったことから、道の駅にいかにもパイプオルガンがありそうなイタリアの教会風の建物が採用されたということだ。
少し前までは「ピアチューレ」という温泉施設(白川温泉)を打ち出していたが、残念ながら今は営業していない(2022年3月末で閉館)。

道の駅の基本機能をチェック
まず、広々とした駐車場。車はとても停めやすい。41号線から少し離れた場所に車を停めれば、仮眠はとりやすいと思われる。




トイレは大きな施設だけに、複数箇所あって、それぞれ気持ちよく使用できた。






随所に腰掛けられるベンチなどがあって、休憩目的で訪れてもおそらく満足できるだろう。






白川茶と白川ハムが特産品

温泉施設はなくなったが、道の駅の施設はかなり充実している。
物産館、白川茶販売所、農作物直売所、レストラン、惣菜販売コーナーそれぞれ頑張っている。
物産館の大看板は白川茶。





どちらの商品も道の駅構内に生産工場を持つ、究極の産地直送品である。 白川茶に関してはお茶出しのサービスが行われており、物産館奥の座敷でお茶を味わうことが出来る。


また、お茶と言えば茶菓子。
茶菓子商品も数多く、「白川茶ようかん」「白川ラスク」「栗どら」「茶どら」「栗きんとんきんつば」 「栗きんとんソフトサブレ」等が販売されている。 「なん茶こりゃ」という珍名商品もある。これは美濃白川茶を濃縮したもので、主にクッキー作りの際に使用されるそうだ。



「白川ハム」と「鶏ちゃん」も、白川茶と並ぶ特産品。物産館の中で、しっかり存在感を出している。


蒟蒻も白川町の特産品。「生蒟蒻」「刺身蒟蒻」「田舎蒟蒻」「蒟蒻の味噌漬け」が販売されている。
ユニークな施設が彩を添えて

次にレストランの紹介を。

私が到着した時間には残念ながらすでに閉店していたが、このレストランでは「うどんコーナー」が人気らしい。
ハム串カツ定食、味噌カツ定食、カレーなどもあるし普通のうどんも美味しいということだが、 「カレーうどん」「クリームうどん」「トムヤムクンうどん」など一風変わったうどんには興味津々だ。

道の駅とは経営母体が異なるそうだが、農作物直売所「野菜村チャオ」、惣菜販売所「てまひまの店」、白河茶の専門店だろうか「茶ちゃチャ」という施設もある。


「野菜村チャオ」では地産の新鮮な野菜、果物を販売していて、多くの客が集まっていた。
なお、ソフトクリーム販売はとても充実していて、物産館の他に出店コーナーもあり「白川茶ソフトクリーム」「五平餅」「みたらし団子」「飛騨牛コロッケ」等が販売されている。

