道の駅「うずしお」が阿波路の女(ひと)にはよく似合う

実は今回のゴルフ旅を始める以前から、徳島県には記憶にあるだけで20回以上は訪れていますし、ゴルフ抜きであればすでに日本の全都道府県を旅してきました。

しかし、麻薬じゃないけど、旅はやめられません。

なぜって、徳島旅に限らず語るべき日本各地の魅力について、旅の情報誌やネット上では景観やグルメなどは紹介され尽くされているようでも、例えばそこに生きる人の魅力などは無尽蔵だから。
そう、今日だって。
道の駅「うずしお」から徳島に入り、

R86入社の才女・長野尚子さんと33年ぶりの再会を果たせたのでした。

太夫・竹本 友和嘉氏に師事

長野さんは現在、故郷徳島で暮らしている。

高齢の親御さんとの生活を最優先して海外での生活から帰ってきたという。同様に両親との生活を送る私は、その気持ちがとてもよくわかる。

激しく同意するし、彼女の決断に大拍手だ。
そして驚いたことに、彼女は人形浄瑠璃「阿波路会」を主宰される太夫・竹本 友和嘉氏に師事し、「友和嘉会」の一員として日本の伝統文化の道を「30年計画」で極めようとしているのだ。

この「30年計画」、私が公表したばかりの「余生27年計画」(笑)を上回る圧倒的な長期ビジョンであり、私は再会するや否や彼女のとてつもないパワーにノックアウトされてしまった。
彼女は昔からカッコ良かったが、33年後の彼女は、もっともっとカッコ良く生きていたあ〜!!

このポスターをはじめ、フライヤー、パンフレットなどのツールも彼女のディレクションによるものだ。ビル事業を皮切りに、さまざまな事業部の制作部門で手腕を発揮したキャリアがこういうところにも生きているのだと感じた次第。

すでに女流太夫としてデビューを果たしている彼女だが、本日の公演は師匠が大夫をつとめ、彼女は裏方としてこの公演を陰ながら仕切っていたのであった。

集客活動にしても、会場の席割りなどにしても彼女の貢献が大いに感じられたが、本日の会場でもあるここ「阿波十郎兵衛屋敷」こそは、彼女のホームグラウンドである。

400年の伝統を誇る 阿波人形浄瑠璃

彼女が取り組んでいる人形浄瑠璃は、太夫が語る「浄瑠璃」と人形芝居が結びついて生まれ、江戸時代から淡路島、徳島で伝承されてきた。全盛期には約70の人形座が活躍し、400年以上の歴史を有する日本を代表する古典芸能の一つである。
月日が流れた今も、約20の人形座と5つの太夫部屋が県内で活動を続けており、阿波十郎兵衛屋敷や農村舞台などの公演を通じて、先人から受け継いできた心と技を国内外の多くの方に披露している。

その中で、彼女は女流義太夫を目指して竹本友和嘉氏に師事。「友和嘉会」において太夫「30年計画」で極めていくのだという。
太夫は、物語に書かれた登場人物のセリフから、情景や心理を表現する地(じ)の文までの全てを原則として1人で語り尽くす。登場人物がどういう気持ちで誰にどのようなことを言っているのか──それを的確に観客に伝えるという最も重要な役割なのである。

阿波+淡路=阿波路。

淡路島にルーツを持つ私は、小学校2年性の時に淡路人形浄瑠璃を観たことがあるが、それ以来実に60年ぶりの浄瑠璃鑑賞。師匠の「語り」「歌い」に魂を揺さぶられ、感動の涙がこぼれ落ちた。

翌日、眉山の頂から、徳島市内を一望した。
後ろには、淡路島が見える。

阿波への行き帰りは、淡路島を通る。
通るたびに、なんて美しいことかと感動する。

そう、阿波と、淡路は、とてもとても美しい「阿波路」なのだ。

次回もこの路を通って。

太夫・長野尚子、もとい「長野紫寿」の「語り」「歌い」をぜひ聴きにきたいと思う。