道の駅「みやま公園」経由で「王子が岳」からの瀬戸内絶景へ(トイレ○仮眠○休憩○景観○食事◎設備○立地○)

玉野市は岡山県の南端に位置し、瀬戸内海の美しい自然に恵まれた風光明美で温暖な気候の港町です。市の海岸部中央にある宇野港は、かつては瀬戸大橋の開通まで四国の高松を結ぶ「宇高連絡船」の発着地でもあり、東京までを結ぶブルートレイン瀬戸の発着点でもありましたが、現在も四国の高松や瀬戸内海の島々(直島・豊島・小豆島)への航路がある「瀬戸内のターミナル」としての役割は変わりません。

玉野市は、瀬戸内海に面する複数の港町と岡山市・倉敷市に面する平野、その中間に存在する山岳地とに分かれています。元々児島半島と呼ばれる半島な為、海も山も近く、市内から気軽に山にも海へ行くことができるのが最大の魅力。私はそんな玉野には以前から興味がありましたが、今回、その魅力を満喫しようと、市のど真ん中にある道の駅「みやま公園」に向かいました。

道の駅「みやま公園」がある「深山(みやま)公園」は、山深い場所にあるのではなく、冒頭で紹介した瀬戸内海の海の玄関「宇野港」から直線距離で3kmほどの丘陵地にあります。それぐらいしか知らずに向かったのでした。

着いてみると、園内には赤松池、中池、タイズ池、新池、伊達池の五面のため池があって、それらの池を中心として豊かな自然環境を活かした「散策ゾーン」と、スポーツを楽しめるミニパターゴルフ場(写真)やわんぱく広場、ドックランなどの「プレイゾーン」、そして「道の駅みやま公園」もその一部に配置されていて、私がこれまで見たこともないような大きな駐車場を有する公園だったので、まずそのスケールにたまげました。

駐車場は8ヶ所、野鳥たちは110種類

何も知らずに来たが、「深山(みやま)公園」は標高50~180メートルの高地にゆったりと整備されており、なんと8ヶ所の駐車場を有している。

とりあえず、トイレに近い駐車場に車を停め、トイレで用を足してから、自販機前の休憩スペースで一休みした。

トイレはたくさんあるので大丈夫。

ちゃんと「目当て」や「行動計画」を持っていないと、停める場所によっては二進も三進も行かなくなる恐れがある(笑)。何せ、面積は200ha(岡山市の後楽園の約15倍/東京ドームの約40倍)という広さを持つ公園だから。

その一部は岡山県から「鳥獣保護区特別保護地区」にも指定されていて、赤松池ではコブハクチョウ等が飼育されており、冬季にはこのエサを目当てに集まるカモたちも可愛い。池を周回する散策ゾーンでは、すっかり人慣れして近づいても平気なキジバトや、これまた近くまで人なつこく寄ってくるヤマガラたちが。さすが「鳥獣保護区特別保護地区」、今までに118種類ほどにもおよぶ野鳥が確認されているという。

紹介しきれない遊び、老体推しはパンと喫茶

農水産物や特産品の販売所、情報館、パン工房やレストラン、屋外のキッチンカー、公園内の100種類を超える花や木あふれる「散策ゾーンや「イギリス庭園」、パターゴルフやわんぱく広場などの「プレイゾーン」など、回りきれないし紹介しきれない。

なので、二つに絞って楽しんだのでそこだけ紹介。

農家を応援!地産地消「道の駅みやま公園パン工房」

まず、直売所入り口にあるパン工房を。パンの種類は、40種類ほどあるだろうか。

こちらのパン工房は、この道の駅で野菜の直売所などを運営する「みどりの館」が営業。一番の特徴は毎朝直売所に出荷される新鮮な野菜を使って、店の調理場でサンドイッチを作り、それを提供しているということだ。当然、野菜が新鮮なのである。

パンの方は、県内産の米粉と小麦粉、しかも玉野市産のお米にシフト。それらを使った食パンとして地産地消を実践している。定番の食パンから惣菜系・スイーツ系のパン類もたくさんあるので、どれをいただくか迷ってしまう。

パン以外にもドリンクやソフトクリームも販売。以前みどりの館で販売していて休止になっていた、玉野市東部の番田でとれる紫芋を使ったソフトクリームも、このパン工房での販売アイテムとして復活している。

「Miyama cafe PUUT(みやまカフェ プート)」が可愛すぎる

道の駅みやま公園に、2024年4月1日から「Miyama cafe PUUT(みやまカフェ プート)」という店がオープンしている。

「PUUT(プート)」とは、フィンランド語で「木々」という意味。新鮮な玉野の食材にこだわったパーク・カフェである。

テーブル席と中央には大テーブル。広々とした店内は天井が高く、まさに公園内の緑と同じグリーンやナチュラルベージュをベースに、花見でも人気の公園の桜をイメージしたピンクのカラーコーディネートはとてもセンスがいい。

私はモーニングをいただいたが、いなりやお豆腐、具だくさんのお味噌汁、トーストと季節のフルーツジャムなど、いわゆる普通の喫茶店のモーニングとは全く異なるもので、大満足。いなりには、玉野地元のお豆腐屋さん「若観門豆」のおあげさんを使っているという。

ランチにはおばんざい定食、カフェタイムには瀬戸内のレモンを使用したパウンドケーキ、岡山フルーツジャムのスコーンなどが楽しめる。

これは、カフェタイムの「3 種のミニスイーツ盛り合わせ」。

テイクアウトも可能なデリ弁当も販売している。

王子が岳は南方に走ってすぐ

瀬戸内海国立公園に指定されている王子が岳は、道の駅「みやま公園」から10kmほど南。渋川海岸に接した巨岩・奇岩が重なり合うダイナミックな眺めがイチオシではあるが、山頂からは瀬戸大橋の全景、瀬戸内海の多島美、対岸の四国連山のパノラマが一望できる。

奇岩巨岩の風景

王子が岳は、岡山県玉野市に位置する絶景スポットです。新緑の天気の良い日には、瀬戸大橋や瀬戸内海の美しい風景を一望することができて素晴らしい。秋には紅葉が楽しめ、四季折々の自然の美しさを感じることができる場所である。

王子が岳にはニコニコ岩、ウサギ岩、手袋岩、こけし岩など長年の浸食風化により削られた様々な奇岩が点在。特に南側斜面は荒々しくゴツゴツした花崗岩の巨岩が露出し、今にも落ちそうに積み重なる巨岩群は大迫力だ。

奇岩①
奇岩②

「王子が岳」の名前の由来は、昔ここに百済姫の子であるともいわれる王子が8人もいたことによる。それぞれ柴坂の王子、坂手の王子、筈割の王子、峰の王子、日の王子、錫投げ王子、谷の王子、瓶割王子と言い、それでここを王子が岳とよぶようになったのだとか。

伝説

また、夕暮れ時の王子が岳からは、鷲羽山のはるか西に沈んでいく夕陽がぺったりと凪いだ瀬戸内海の海面や雲、往来する船を朱に染め上げる。

夕日