
岐阜県本巣市にある根尾谷淡墨桜は、山梨県の「山高神代桜」、福島県「三春滝桜」と並んで日本三大桜のひとつに数えられ国の天然記念物に指定されている誇る孤高の桜である。
継体天皇お手植えの桜と伝えられ、樹齢は1500余年。
薄いピンクのつぼみが、満開になれば白に、そして散り際には淡い墨色になることから淡墨桜と名付けられたと言われている。
毎年満開を狙っていたがこれまではジャストミートできず、例年より1週間ほど遅れた今年はついに満開の淡墨桜を見ることができた。

枝が折れても頑張った、1500?歳
本巣市にある「根尾谷淡墨桜」は樹高17.3m、幹回9.4mの大木。枝が最も広がったところでは幅が24メートルになるエドヒガンザクラだ。
今年は2月上旬に大雪によって折れたとみられる直径6センチ、長さおよそ3メートルの枝が見つかるなどしたため、市では折れた箇所の補修をするなど対策を進めてきた。

何せ、枝が最も広がったところでは幅が24メートルもあるので、雪が積もると各枝には大変な重さがかかる。
寒さなどの影響もあって、今年は4月に入って開花し、例年より1週間ほど遅れて見頃を迎えたということで、スケジュールがなんとかなった私は急遽の岐阜行きを決意した次第だ。

淡墨桜そのものもすごかったが、周りの桜も十分見応えがあった。




「うすずみ桜の里ねお」からアクセス
最寄りの道の駅は、国道157号線にほど近く、淡墨桜や根尾谷断層観察館にはもっとも立ち寄りやすい根尾地区にある道の駅「うすずみ桜の里ねお」だ。


ここでは、岐阜県の伝統野菜「弘法いも」や、「アザミ」の佃煮など根尾地区ならではの野菜や加工品を販売している。
根尾谷の花化石や、地元の床屋さんが煤竹で作った耳かき、鹿の角や熊の爪を使った地元猟師さんによるキーホルダーなど、手作り品も多くみられる。

産直売り場の目玉は、岐阜県の伝統野菜に認定されている「弘法いも」。このいもは根尾地区だけでしか作っていない小ぶりのジャガイモで、ピンポン玉くらいのサイズ。秋に収穫して貯蔵し、冬の食物として利用されてきた。皮つきのまま塩ゆでにしたり、エゴマ味噌(エゴマ、砂糖、味噌)の中にじゃがいもを入れて和えたりと、地域ならではの食べ方も興味深い。
伝統野菜「アザミ」を使った佃煮の加工販売もある。
これは、山菜の一種である食用のアザミ(根尾地区では山アザミと呼んでいる)を湯がいていったん塩漬けにした後、塩出しして戻してから、佃煮として炊いたものだ。
きゃらぶきのような食感で、あたたかいごはんと一緒に食べると絶品らしい。 知らんけど。
他にも、写真のように、いろいろな特産品が売られている。


駐車場で十分花見ができる
それより何より、ここに咲き誇る桜は結構見事だった。



駐車場はいくつかあるが、どの駐車場も周りの桜が美しいので、花見はここでいいじゃん、と思ったほどだ。

客が心配することでもあるまいが





トイレや休憩施設などは過不足なくごく普通に利用させていただけた。
気になったのは、今後の運営だ。
淡墨桜の駐車場は有料で五百円も取られる。道の駅は無料なので、近ければここに車を停めて、歩いて淡墨桜の花見に行く人も多いはずだ。しかし、この道の駅と淡墨桜とは4キロほど離れていて、4キロ歩くのと駐車場代に五百円払うのとどちらを選択するか、非常に微妙なところ。
観察している限り、ここから淡墨桜に歩いて向かう人はほぼいないようだった。
また、温泉館など道の駅のパワーを支えるべき立場にある温泉館などの諸施設が休館?していて、大丈夫かと客のこちらが心配になった。

