
写真は、観音堂の枝垂れ桜。
享保20年(1735)ごろに建立された観音堂の脇にそびえる。
樹齢は約140年と推定され、売木村内に現存する桜ではもっとも古い名木だ。
「うるぎ温泉 こまどりの湯は長野県の南端、下伊那郡売木村にある温泉施設だ。
ここは売木村。標高1000mを越えた小さな山あいの里にある村営の温泉「こまどりの湯」をいただきにきた。
里山の風景を眺めながら入る露天風呂はもう最高だ。というのも、平日の昼間などはほぼ貸切で利用できるから。
露天風呂のほかにも大浴場、ジェットバス、サウナ、バイブラバス、打たせ湯などがあり、ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉は泉質良好で“美肌の湯”としても評判が高い。
ということで懸命に美人を探したが、私のほかに客はいなかった(笑)。
巨岩を配した豪快な造りの露天風呂は高台にあって本当に静か。
周辺の自然を思う存分満喫できる。入浴料たった600円でこんな贅沢な感じ、こういう感覚をプライスレスと言うのだろう。



売木(うるぎ)村について
売木村の起源は、相当の昔に遡るようだ。
茶臼山の東側に先土器文化があって、縄文時代や弥生時代の暮らしぶりを示す遺跡が数多く確認されているからだ。
村名の由来は定かではないが、売木は木地師伝承の地として知られ、また、江戸期には米の代わりに「くれ木」を年貢として納め、明治から昭和初期にかけては木材や炭焼きなどで栄え、木々の恩恵を多大にうけた、まさに「うるおう木の村」―それが売木村といわれている。

売木村全体でも人口は500人ちょっと。
現在7つの集落があり、その中に昔ながらの地名や呼称がたくさん残っています。その1つ「呼ばり岩」といわれている大きな岩があり、昔は宝蔵寺の僧が広報無線のように岩の上で「やーい」と大声で時刻を知らせたらしい。
「古き良き」新しい道の駅
道の駅「南信州うるぎ」は、小さくて静かな売木村にある、本当に小さくて長閑な環境の中にある道の駅である。

ここは秘境とも言える場所で、北からアクセスする場合は中央自動車道の飯田山本ICから国道153号線と国道418号線を用いて41km、 南からアクセスする場合は新東名高速道路の浜松いなさ北ICから国道474号線と国道151号線を乗り継いで61km走る。
いずれのルートからも、道の駅「信州うるぎ」は相当に遠い。
この道の駅、2018年春に登録、同年11月オープンしているが、前身は「うるぎふるさと館」と呼ばれる農作物直売所だった。

道の駅の名称にもその名前は残っているし、建物の感じからして、昭和に建てられた建物であることは間違いない。
駐車場は空いていた。ちゃんと買い物をすれば、気兼ねせずに仮眠も休憩もし放題という感じ。


トイレは、駐車場前のトイレも館内のトイレも共に本当に頭が下がるぐらい、綺麗にしていただいている。


私たちはそのおかげさまで、気持ちよく使わせていただき、ゆっくりすることができるのだ。感謝しかない。




休憩環境としては申し分ないだろう。
とにかく空気が綺麗し、駐車場にも車が少なく(笑)、開放感がすごい。


道の駅には「規格外品」で驚くような掘り出し物が
この建物に、農作物直売所を兼ねた物産館とレストランが入っている。
「ふるさと資料館」という施設も存在するが、普段は公開されていない。


物産館では、入り口でいきなり木が大量に売られていて、なるほどそれで「売木村」なのかと勘違いしてしまった。
ここは、夏には名物のトウモロコシがどっさり並ぶそうだ。
売木村は朝晩の寒暖差が大きくトウモロコシの栽培に最適なのだとか。 売木村産のトウモロコシは市場では高く取引されるらしいが、 道の駅で販売されているトウモロコシはかなり割安にだそうである。
漬物、米も道の駅の人気商品
私は超がつく左党なので、「うるぎの漬物」に惹きつけられた。
売木村の料理名人おばあちゃんが、若いお母さんに製法を伝え、そして子供たちに与える伝統の漬物だ。この「うるぎの漬物」には、「わらびの彩り漬」と「しまうりの酒粕漬」の2種類がある。
わらびの彩り漬」は薄味のシンプルな味付け。口の中で徐々に染み出すような程よい塩味。
「しまうりの酒粕漬」は南信州伝統野菜のシマウリを、三河の銘酒「蓬莱泉」で漬けたもの。 かなり酒粕が効いていて、シマウリのシャキシャキ感もたまらない。
地産の米「うるぎ米」は、村自慢の商品だ。
米はきれいな水とおいしい空気で品質が決まるとよく言われるが、 売木村はおいしい米づくりにも最高の環境だ。 また、仕上げではハザと呼ばれる棚に稲を掛けて自然乾燥させる「はざかけ」を行って、お米に甘味を増しているという。

たまたまパンの口になっていたので、私はパンを購入。とても美味しくいただいた。

「売木高原のトマトジュース」と「ポレポレりんごジュース」も人気があるという。
「売木高原のトマトジュース」は完熟トマトを100%使用したもので、酸味がしっかり効いたトマトジュース。 新鮮さが半端ない。
果肉がたっぷり入った「つぶつぶ感」が魅力「ポレポレりんごジュース」は近隣の中川村の「ふじりんご」を用いたリンゴジュースだ。 これまた甘さに負けない酸味があって、一本いただくと非常にすっきりした気分になった。


味は正規品と同じ位の美味なのに、ちょっと信じられないような価格で「非規格品」の格安販売が行われていた。

信州豚や鹿肉を味わう
物産館の横に、道の駅レストラン「kitchenさるのこしかけ」がある。
ここでは「季節の天ぷらととろろ風盛りそば」など、バリエーション豊かな「信州そば」はもちろん、南信州の郷土料理をいろいろ楽しむことができる。


たとえば地産の信州豚を使った「信州豚のとんかつ定食「鹿肉の特製ビビンバ」「若鶏の唐揚げ定食」など。「手作りカレー」も人気があるそうだ。

