足がすぐ臭くなる私にとって、
休憩に立ち寄った道の駅に足湯があることほど有難いことはありません。
さて 無料高速道路の北近畿豊岡自動車道を八鹿氷ノ山ICで降りてすぐ、 兵庫県北部の旧八鹿町(現養父市八鹿町)に道の駅「ようか但馬蔵」はあります。 国道9号に接していて、足湯が迎えてくれます(くどい!?)。
養父市 と書いて「やぶし」はまだしも八鹿 と書いても「ようか」と読める人は少ないと思われるので、ひらがな表記となっています。
なぜか周囲20キロに道の駅が10駅もある、道の駅が乱立する但馬地区にあって、ここは最も後発の道の駅。 少し老朽化が目に付く周辺の道の駅と比べると、ここはとても綺麗で、白い蔵をイメージした建物はまだピカピカです。
清掃も行き届いており、ドライバーたちがたまたま休憩に立ち寄るというよりは、ここを目当てにやってくる人の比率がかなり高いようです。
施設構成は物産館、農作物直売所、レストラン、足湯。 足湯を除けばどこにでもある普通の道の駅の構成ですが、扱っている商品はかなり多い印象があり、レストランのメニューもかなり充実しています。
まずは駐車場、トイレ、休憩スペースをチェック
駐車場は十分広い。仮眠しやすそうな陰のスペースもあるし、日が沈んでからの仮眠場所も、好みで選び放題。
トイレも、とても綺麗で気持ちよく利用させていただける。
休憩環境もいい。施設内はどこも隅々まで清掃が行き届いている。
八鹿豚がイチオシ!
物産館で取り扱われているアイテム数はとても多い。全部見て回るのが大変なほどだ。ここならではのものとしては、円山菓寮の菓子コーナー。 円山菓寮は兵庫県の日本海側を拠点とする有名菓子メーカーで、名物は「かりんとう」だ。 ビールのつまみとして伝統の「かりんとう」をこよなく愛する私だが、「ホワイトショコラかりんとう」「ミルクショコラかりんとう」「イチゴショコラかりんとう」など女性が好みそうなものも並んでいた。
もう一つ、ここならではの特徴的なものと言えば「朝倉山椒」だろう。山椒のペーストやドレッシング、山椒カレーや山椒こんぶなど、朝倉山椒を加工した食品をたくさん売っている。
そして極め付けは「八鹿豚」。店の奥に進んでいくと、名物の「八鹿豚」があった。
八鹿豚の口になっていたので、早速「八鹿豚まん」を食べたのだが、期待以上の味とボリューム、私的にはこの道の駅のイチオシだ。
そして、但馬と言えば「但馬牛」。
但馬牛のそぼろ煮や、肉味噌ラー油など美味しそうなものがたくさん。「但馬牛ビーフカレー」「但馬牛まんじゅう」「但馬せんべい」にも目移りする。
周辺の道の駅も同様だが、観光地の竹田城跡をモチーフにした土産品、「出石そば」や地酒の「但馬」「香住鶴」も人気商品だ。
地元の旬の野菜もすごい数
地元野菜の直売所。新鮮で旬な野菜がたくさん、そして新米も。
野菜はなんでもあるが、中に、めちゃくちゃ太いゴボウがあった。
醸造品のコーナーや、カバンや装飾品のコーナーもある。
レストランでも八鹿豚を使ったメニューを
道の駅「ようか但馬蔵」のレストランはその名も「蔵」。
造りはかなり立派で、かなりお値段は高いのではと思いきや、千円前後の手頃な価格帯のメニューが多数。 ならば「ここでしか食べられない」と言われる八鹿豚を使ったメニューを無性に食べたくなるではないか。
私的に王道メニューは「八鹿豚とんかつ定食」だ。 八鹿豚肉の味、食感を素直に味わうならば「とんかつ」直球勝負をしたいところである。しかし八鹿豚の「豚まぶし」もここの名物メニュー。ええいままよ、今日は「豚まぶし」で手を打とう。
数量限定の「豚まぶし」。
焼き豚の丼に、薬味とだし汁が付いてきた。
ふと見ると、食べ方の手順が添えてある。
なになに、まずは「そのままで」食べてみよ、ってか。言われずとも、そのまま食べてるわい。
で、なになに、次には「薬味をのせて」食せと。薬味はこの地の名物「浅倉山椒」で、ピリリと辛くてめっちゃ美味いやん!
そして最後に、「朝倉山椒のだし茶漬け」でいただけ、と。
これって、豚の「ひつまぶし」か〜〜〜いw
レストランのもう一つの主役はやっぱり但馬牛だが、こちらは周辺の道の駅でも味わうことができるしお高いので今回はスルー。
八鹿豚と但馬牛に比べてどうしても影が薄いが、「但馬鶏」も但馬の特産品。 但馬鶏親子丼」「但馬鶏唐揚げ定食」など、美味しくてより手頃なので次回はぜひ食べてみたい。
レストラン「蔵」は地産地消に拘っていて、お米も養父市産のコシヒカリ「蛇紋岩米」を使用。 肉の味をひきたててくれる「米」も、それだけをつまんでいただいても実に美味しい。しかと噛み締めて味わおう。
エっ?泉質ランキング日本第2位!?
道の駅から北に500mのところに「とがやま温泉 天女の湯」がある( 元気な方は歩いていける)。
とがやま温泉は、全国的には知名度は今一つかもしれない、建物も少し老朽化した地味な温泉なのだが、 驚くなかれこの温泉はプロが鑑定した泉質ランキングで何と全国第2位なのだ。 お肌に潤いを持たせる成分の炭酸水素イオンを多く含んでいる「美人の湯」なので、名より実をとるタイプの人にぴったりだろう。 内湯、マッサージ湯、露天風呂、源泉風呂(29℃の水風呂)、そしてサウナもある。
入浴料は700円。泉質の割に格安だ。
かつて日本一のスズ産出量を誇った明延鉱山
かつて日本一のスズ鉱山として栄えた明延鉱山(あけのべこうざん)へは、車を30分ほど走らせる。
坑道内は年中12~13度で、夏に来てもひんやり。とても涼しい思いができる。
坑道の一部を案内ガイドの説明を聞きながら見学できる(要予約)が、物心ついた頃、昭和初期の記憶があるという方は相当高齢だと思われるが、ここではかなり昭和の、しかも初期の昭和にまで遡ることができる。
また、4月~11月は毎月1回(5・7・8月は運行回数が増えているようだが)、一円電車が定期運行。わずか150mの路線をガタンゴトンとかわいい一円電車が走るのだが、せっかくならこの運行スケジュールを調べて行ってみたい。
日本遺産「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」の認定を記念して、明延鉱山を象徴する一円電車のモニュメント「かくれんぼ」(藤本イサム氏作)が設置されている。