
白糸ノ滝は、富士山の雪解け水が、上部の水を通す地層である新富士火山層と下部の水を通さない地層である古富士火山層の境の絶壁から湧き出して形成された。
年間を通じて水温は11℃、毎秒1.5トンもの湧水が、高さ20m・幅150mの湾曲した絶壁から大小数百の滝になって流れ落ちてくる。
その姿はまさに「白糸」の名にふさわしく、幾筋もの絹糸をさらしているよう。滝壺近くに立つと、三方が水のアーチとなってとても幻想的だ。
昭和11年、国の名勝及び天然記念物に指定され、昭和25年10月には「観光百選滝の部」で1位に選ばれ、古くからその見事な眺めが人々に愛されている。
世界遺産構成資産に選ばれた白糸の滝
白糸ノ滝は、『信仰の対象』としての富士山の顕著な普遍的価値を証明する上で不可欠の構成資産として評価された。
富士講の文書によれば、白糸ノ滝は長谷川角行が人穴での修行と並行して水行を行った場所であるとされ、富士講信者を中心に人々の巡礼・修行の場であったことから構成資産となったとされる。富士講信者の描いた絵図からは18世紀の白糸ノ滝における修行の様子が知られるが、現在もなお現地に遺存する石碑等を確認することができる。
一般に滝といえば、川の流れが崖のところで落下するものを指すのだが、白糸の滝は、川の流れがそのまま落ちている中央部を除いて、大半の水が崖の岩の隙間からわき出しているもの。
崖の地層をよく見ると、崖の下半部は角れきを多く含んだ泥っぽい地層、上の方は玄武岩溶岩であることがわかります。白糸の滝の水は、この2種類の地層の境目からわき出してくる。
この水は、富士山に降った雨や雪がしみこんだものだから、雪解けのころや富士山に大雨が降ったときは、滝の吹き出す勢いが急に強くなるという。

滝の西側の遊歩道を5分ほど歩いて「白糸自然公園」へ。
こちらは富士山の山頂から駿河湾までを一望できるロケーションが魅力の公園だが、春は菜の花越しに富士山が見える絶景スポットでもある。

春は菜の花だが、夏はひまわり、秋はコスモスなど、季節ごとに色鮮やかな花々が咲き誇り、花畑と富士山のいろいろな組み合わせが楽しめるそうだ。
産屋ヶ崎の桜
河口湖で桜といえば「産屋ヶ崎」というほど、産屋ヶ崎の桜と富士山の風景は古くから多くの文人に愛された絶景だ。
河口湖大橋の北詰、産屋ヶ崎(河口湖)は標高830mの高さにあるので、桜の開花時期は例年4月中旬、見頃は下旬にかかる。




ここは木ノ花咲耶姫伝説が伝わる場所であり、松尾芭蕉の句碑や、富士山を撮り続けた写真家・岡田紅陽や郷土作家・中村星湖の碑もある。
さて、河口湖は富士河口湖町にある富士五湖の一つである。
富士五湖はほかに「本栖湖」「精進湖」「西湖」「山中湖」があり、山中湖村にある山中湖以外は富士河口湖町にある。
河口湖最大の特徴は、南岸に富士山の噴火で流出した溶岩流が押し寄せたことでできた堰止湖(せきとめこ)であるため、富士山側となる南の湖岸は、溶岩流が張り出した岬が続いていること、そして湖の深さがとても浅いということだろう。
河口湖の湖面面積は、山中湖に次いで2番めの大きさだが、水深は最も深いところで14.6m、こちらは山中湖に次いで2番めの浅さである。
逆に河口湖に次いで3番目の大きさの本栖湖は、湖水の容量を比較すると河口湖よりも約6倍の量がある。これは、本栖湖の最深部が121mもあるためで、富士五湖の中でも飛び抜けて深い湖である。
水面標高 | 最深部 | 周囲 | 面積 | 貯水量 (km3×1000) | |
---|---|---|---|---|---|
本栖湖 | 902m | 121.6m | 11.8km | 4.7km2 | 316 |
精進湖 | 902m | 15.2m | 6.8km | 0.5km2 | 3.5 |
西湖 | 902m | 71.7m | 9.9km | 2.1km2 | 80.1 |
河口湖 | 830m | 14.6m | 21.0km | 5.7km2 | 53 |
山中湖 | 982m | 13.3m | 13.9km | 6.8km2 | 64 |
ちなみに本栖湖、精進湖、西湖は、かつては「古せの海」という一つの湖と考えられており、そのため湖面標高がすべて同じ902mとなっている。
富士山が噴火を繰り返し、この大きな湖を溶岩で分断し、現在の3つの湖に分かれ他のだ。3つの湖は同じ地下水脈を有しているため、水位が連動する傾向があることも大きな特徴となっている。
河口湖畔にある道の駅「かつやま」
道の駅「かつやま」は、中央自動車道河口湖線の終点、河口湖ICから北西に方面に約2キロ、県道710号線沿いにある。
駐車場は、湖に沿って細長くレイアウトされている。広くはないが、平日の夕刻だったので、とても空いていた。

トイレは、かなり大きいものだった。広いトイレの清掃は大変だと思うが、綺麗にしていただいて、とてもありがたい。



河口湖の畔にある道の駅なので、駅からは綺麗な湖面を見ることができる。
施設前のベンチも独り占め。しばしコーヒーをいただきながら河口湖の湖面に見惚れた。

展望台があるので、階段を登って行ってみると、なかなかの景色である。


昼間に河口湖の各所を回ったので到着が夕刻になったが、だんだん日が沈んでいって、こういう夕景となった。これはこれで、いいものだ。


富士五湖周辺には幾つかの道の駅が存在するが、道の駅「かつやま」は主要国道に面していないためか、とても静かで落ち着ける道の駅だった。
湖のそばに大きな芝生公園が広がっていて、ボートにも乗れるので、のんびりと時間を過ごすには最適だと思う。
糸井重里氏絶賛のイトリキカレー
駅施設としては、物産館とレストランがある。


このレストラン、「イトリキカレー」を提供しているそうだ。 これは糸井重里氏が絶賛するカレーで、横濱カレーミュージアムにも出店している。 キーマカレー、ココナッツカレー、ビーフカレーの3種あるという。カレーに興味がない人は、焼肉丼やそば等の一般メニューもあるのでご安心を。
物産館は程よい大きさ、清潔でとても明るい雰囲気だ。
山梨県の道の駅らしく、ワイン、信玄餅、ほうとう等の山梨県定番の特産品が主力。 勝山村ならではという観点では葉付大根の一本漬け、ごぼうの一本漬けなどの漬物だろうか。