
飛騨川において白川町白川口から七宗町上麻生までの約12kmにわたり作る峡谷は飛水峡と呼ばれ、美濃帯堆積岩類のチャートと砂岩層からなる岩盤が深く削り込まれている。
その下流部約2kmの間は“ロックガーデン”と呼ばれ、通常の流路が深く削り込むことでその両側に硬いチャート層の岩盤が段丘状に広がっている。その岩盤上に大小さまざまな「甌穴(ポットホール)」群が形成されているが、その数は直径1m以上のものだけでも500個を越え、全体で1000個にも及ぶとされる。甌穴の数や大きさにおいて、ここは日本を代表する地域である。
地学に興味がなくても、七宗から白川に至る約12kmもの渓谷は、中国の耶馬渓にも劣らない美しさで知られる場所でもある。
険しく迫った峡谷を流れる水、神秘的な大彫刻の趣を見せる奇石・怪石、変化に富んだ景観はまさに絶景だ。私は、桜と岩とが織りなす春の景色を見たくて、飛水峡を訪れた。





学術上の価値が高い甌穴群
この一帶は秩父古生層に属する珪質岩類から成り、層理がよく発達し、褶曲構造は複雜でかつ断層を伴なっているため甌穴の規模形態は多種多様だ。
特に集中的に見られるのは曲流部と岩石段丘であって、直径2メートル以上のものだけでも300余をかぞえ、それより小形のものは無数である。この種甌穴群として類例の稀なものであって、学術上の価値が高い。
駐車場から下に降りる小さな階段を使って、国指定記念物「飛水峡の甌穴群」をより間近に見ることができる。

甌穴が造られるためには堅硬な岩石と河川の急流が必須条件となる。河床あるいは側壁を作る岩盤にわずかに作られたくぼみに小石などが入り込み、その中で川の流れによって小石などが激しく転がることで削られて大きくなっていく。


削られる岩盤が柔らかいと、くぼみの周囲が容易に削り取られてしまって、流れが緩やかであるとくぼみの中で研磨役となる小石が激しく回転しないらしい。
日本最古の石がある町
七宗橋または上麻生橋から美しい眺めが鑑賞したあと、国道41号線から上麻生橋を渡って看板表示の通り右折すると、「飛水峡ロックガーデン」と道の駅「ロックガーデンしちそう」がある。
直接行くには、東海環状自動車道の美濃加茂ICから国道41号線沿いに北東に12キロの場所だ。
駐車場は広く、混雑を心配する必要は皆無だろう。


トイレは綺麗にしていただいており、気持ちよく使わせていただけた。



休憩環境としては、申し分のない道の駅と言えるだろう。
















なにせ、駅から見える飛騨川の景色が素晴らしい。
長い年月を掛けて木曽川が岩肌を削った美しいV字峡、そして山々と岩と桜の美しいコラボレーション。
ここの岩は変成岩と呼ばれ、地下深くで高温高圧下で形成された岩が地上に現れたもので、ゴツゴツとした形状だから、優しい桜の花との対比がより美しいのだ。
20億年前に形成された「日本最古の石」だそうだが、日本各地に無数に転がっている石の中で「なぜ七宗町の石が日本最古と言い切れるのか」という疑問は、道の駅にある「日本最古の石博物館」に入館すると解決する仕組みになっている(笑)。

1番人気は農作物直売所
道の駅の施設は、この日本最古の石博物館のほか、物産館、農作物直売所、軽食堂がある。


基本的にとても静かな道の駅だが、その中で多くの客を集めて比較的賑わう施設は、農作物直売所だ。朝早くから地元の主婦とみられる人たちが新鮮野菜を求めて集まってくるという。
物産館の主力商品は「朴葉味噌」「八百津田舎味噌」「郡上味噌」、「赤カブの漬物」「山ごぼう味噌漬け」「天神漬け」「入りヌカ沢庵」「キタブ製麺所の麺類」「明方ハム」「八百津のおいしい醤油」「飛騨高山ラーメン」「飛騨牛カレー」「鮎の甘露煮」「あまごの甘露煮」「梅ベリージャム」といったところ。
軽食堂ではうどん、そば、五平餅、みたらし団子などを提供している。