「道の駅みつ」は、兵庫県たつの市御津町室津にあります。
御津町の岩見から相生市にかけ瀬戸内海沿いの絶景を楽しむことができる「はりまシーサイドロード(国道250号線)」沿いにあり、道の駅からの眺望も素晴らしいです。
建物の前には美しい播磨灘が大きくひろがり、ちょっとした磯遊びが楽しめるビーチの波打ち際まで降りる事もできます(遊泳は禁止だそうです)。
サイクリングを楽しむ人にも対応。サイクルラックや自転車工具、空気入れなども利用できるそうです。また、小規模ではありますが「ドッグラン」もできるようです。
EV充電器スタンドも設置してありました。
「道の駅」とその周辺だけでまる1日楽しめる超オススメの道の駅ですが、ここに来たからには「世界遺産・姫路城」に足を伸ばさない手はないでしょう。30kmも走りません。所要時間は40〜50分程度です。
まずは、休憩できる環境が素晴らしい
休憩できる場所がとにかく多いのがありがたい。
ここに西方面からアクセスすると「七曲り」というドライバーにとってはとても運転しがいのある道を楽しんでからの到着となるだけに、この休憩環境の素晴らしさは「道の駅」が備えるべき機能を最高レベルで持っていると言えるだろう。
屋上はテラス席になっていて、時間を忘れてゆっくりと瀬戸内海を眺めていられる。
ドライバーのための休憩環境は最高だ。
もちろん、屋内にも休憩できるところが多いが、情報コーナーを備えるとともに、瀬戸内海の海産物・地元新鮮野菜を提供する特産品直売所や体験学習室などがある。
室津漁港から新鮮な魚介類が!
「とれとれ直売所」には、地元農家が持ち込む朝採れの野菜や果実、生花、室津漁港から直接届く生きのいい魚介がずらり。名物は毎日開催される「鮮魚トロ箱市」。開店からわずか数分で売切れることもあるそうだ。たつのの名産「揖保川トマト」「室津牡蠣」「手焼き穴子」も人気らしい。
食事は、たつの名産のそうめんで作る「にゅうめん」や、冬から春の「室津牡蠣」、夏のイワガキ、秋の「紅葉ガキ」と一年を通してカキ料理を提供する『シーサイドレストラン魚菜屋』か、海岸沿いや屋上に設けられたバーベキューコーナーへ。
シーサイドレストラン「魚菜屋(ととなや)
建物内には、御津の漁港で水揚げされた時節の旬な魚介や地元で採れた新鮮野菜を使ったここならではの料理が自慢のシーサイドレストラン「魚菜屋(ととなや)」がある。
新鮮な魚がたっぷり味わえる「旬のどんぶり」、海鮮丼とたつの名産「揖保乃糸そうめん」と組み合わせたメニューが一番人気だそう。
釜揚げシラスも美味いらしい。中でもウニを乗せた「ウニのせ!釜揚げしらす丼」は釜揚げしらすの美味しさと歯ごたえにウニの甘さが絡まって、最高の一品だという。
「穴子膳」では瀬戸内産の穴子を香ばしく焼き上げた焼穴子重と、1本丸ごと天ぷらにした穴子の天ぷら、新鮮な刺身などが味わえる。
また、ビーチサイドから目の前に広がる瀬戸内の風景を見ながらのシーサイドバーベキュー「浜の磯焼き」も大人気。雨天や冬なら屋内でもバーベキューOKだが、天気の良い日は屋外のBBQスペースで楽しみたい。
焼く食材も室津の焼き牡蠣(これは冬、屋内がいいいかも)、とれたてのサザエやエビ、旬の魚などの「海鮮BBQセット」、アワビやカニが食べられる豪華な「海賊セット」がおすすめだが、「せっかくBBQをするならお肉も食べたい!」という人向けに牛ロース120gを含んだ「山海BBQセット」もある。
屋内外、屋上問わず、地元食材による海鮮バーベキューなどの料理に舌鼓を打ちながら、すばらしい眺望が楽しめるのは素晴らしい。
火山活動の痕跡も
岩見漁港方面に見える地肌の出た大きな岩は流紋岩で、太古の昔、溶岩が流れ下った跡らしい。瀬戸内海がかつては大地溝帯であり、今では想像もできない激しい火山活動をしていた痕跡だそうだ。
トイレ休憩も、仮眠も完璧
肝心のトイレもウォシュレットだし、仮眠の環境についても、文句なしです。
駐車場は、海岸に沿うようにして、建物から離れて休みたい場合も相当離れたところを選んでも停められる。十分すぎるぐらい広く、とにかく360度どこを向いて寝ても景観が素晴らしい(笑)。
さすが、関西ウォーカー2023「道の駅大賞準グランプリ」に輝いただけのことはある。
室津港と万葉の岬はすぐそば。ぜひ見に行こう
室津港は、天平の頃、行基が開いた摂播五泊の一つである。
三方を山に囲まれた入江は波静かで室の内のようだと「室の泊」と名づけられ、帆船時代には瀬戸内海の重要な港として栄えた。日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」に室津の北前船に関する文化財が認定されている。
万葉の岬も、とても近い。
万葉の岬のつばき園には、万葉の歌人山部赤人(やまべのあかひと)が詠った歌を含む3つの石碑がある。山部赤人(やまべのあかひと)は、奈良時代初期の歌人。三十六歌仙の一人で後世、柿本人麻呂とともに歌聖と呼ばれている。和歌を詠みながら諸国を旅した。
室津港と万葉の岬は、道の駅みつのすぐ近くだが、少し足を伸ばして、龍野城や賀茂神社に寄ってみるのもいいかも。
龍野城は約500年前、戦国時代の武将である赤松村秀によって開場され「霞城」という別名でも知られている。見所は本丸御殿上段の「黄金の間」。石垣は当時のまま現在も残っている。
賀茂神社の歴史は古く、約800年前、平清盛が祈願したことが記録されている。海風を感じられる岬の丘にあり、唐門は昭和44年に国指定の重要文化財となっている。
東に向かうなら、ぜひ姫路城へ
楽しい道の駅「みつ」で、バーベキューなどをして遊び過ぎた〜と思っても、天気が良いなら250号線を東に走り、飾磨あたりから北上して世界遺産「姫路城」にアクセス。夕日に輝くその絶景をぜひ見てみたい。
もちろん、朝も昼も、その姿は美しい。
春なら桜、秋なら紅葉とのセットで、素晴らしい絶景シュートが期待できる。
姫路城は、防衛面の優れた機能性と、白鷺城と異名をとる白漆喰の美しい外観が特徴だ。17世紀初頭の日本独自の城郭建築の構造が凝縮され、日本の木造建築の最高峰に位置づけられている。
1993年には、「人間の創造的才能を表す傑作である」ことと「歴史上の重要な段階を物語る建築物やその集合体、景観を代表する顕著な見本」という2つの基準を満たし、奈良の法隆寺とともに日本初のユネスコ世界遺産に登録されている。
現存する戦国時代や江戸時代の天守は、12ある。
国宝指定の5天守の一つであり、世界遺産に登録されているのは姫路城だけである。
小高い姫山に立っているため、城の南側から車で北上していくと、乗ったままその絶景を堪能することができる。
姫路城の歴史は、鎌倉時代に討幕の兵を挙げた西播磨の赤松則村が、京への進軍途中に姫山の重要性に目をつけ、正平元年(1346年)に築かせた城に始まるという。その後、天正八年(1580)の中国攻めの際、羽柴秀吉が当時の城主黒田官兵衛から譲り受け、毛利氏に対抗する本拠地として本格的に改修に取り掛かり、翌年に完成したのが現在の姫路城の基礎となっている。
秀吉が没し、政権が徳川家康に移ると、江戸幕府の西の要と位置付けられ、慶長五年(1600)には、家康の娘婿である池田輝政が入城している。輝政は8年にもわたって大改修を行い、秀吉時代の天守は除かれ、その跡地に現在の大天守が建てられ、現在の姿に近くなった。
そして、城全体が良好に保存されていることが奇跡的に素晴らしい。
姫路城は、築城以来ほとんど戦いに巻き込まれたことがなく、江戸時代の一国一城令や明治時代の廃城令による棄却も、第二次世界大戦による破壊も免れた。昭和20年(1945)には姫路空襲があって城内にも焼夷弾が落とされたが、それが不発弾だったことはまさに奇跡であろう。
そして「昭和の大修理」「平成の大修理」によって、美しい白亜の姿を現在に保っている。
今回の改修でさらに美しくなっています。
道の駅「みつ」から1時間かからないですから、もう何度か来たよという方も、寄ってみてはいかがでしょう。まだ姫路城を見たことがない方はぜひ!