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死ぬ前の【小説】は人生の最後っ屁

たとえば京都発、ベイルート着。〜学生たちそれぞれの片道切符〜

俺は、見ての通り、犬である。 生年月日や命日は、人間のように正確に記録されてはいないが、 どうやら1967年の梅雨の頃には生まれていたようだ。 名前は「タケシ」。生まれてからずいぶん後、5歳になってから名付けられた。 今から話す物語は、1967年6月に犬として生まれ、 犬としてはかなり長生きした俺が見聞きしてきたことだ。 舞台は、学生運動が燃え盛った時代の京都である。だから、俺が接してきた人間、つ […]